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設計事務所インタビュー

ac.Ren代表 上村 博之 氏

動物病院の設計に特化するACプランの思想を更に発展させ、動物医療建築の未来をつくるをテーマに、様々な建築プロジェクトへのリソースの提供とトータルなマネージメントを行う。

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事例:ライト動物病院

aeRen_right診療科目:動物病院
建物規模:319㎡
所在地:福岡県北九州市小倉北区中井3丁目17-18

設計のポイント

ー 空気の流れを改善し、「ニオイ」が気にならない空間設計
ー 住宅地という立地を考慮した、騒音対策
ー 動物とスタッフの方のストレスを低減

事例:ライト動物病院

aeRen_right診療科目:動物病院
建物規模:319㎡
所在地:福岡県北九州市小倉北区中井3丁目17-18

 

設計のポイント

ー 空気の流れを改善し、「ニオイ」が気にならない空間設計
ー 住宅地という立地を考慮した、騒音対策
ー 動物とスタッフの方のストレスを低減


動物病院を設計する上でのポイント

ー設計段階から検討しておくべき項目

動物病院の設計では、動物が過ごすことを考慮して、通常の病院とは異なる注意点がいくつかあります。例えば、猫の逃走を防止するために、窓を少なくしたり、動物が機器や設備にいたずらをしてしまわないように高い位置に設置する、などの基本的な対策があります。

また、設計段階で考慮する必要のある項目として、運用時には「ニオイ」と「音」が課題になることが多いため予め対策しておく必要があります。
 
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今回設計したライト動物病院の受付
 
「ニオイ」については、設計段階から、院内に空気だまりができないように空気の流れをつくることが重要です。各部屋の用途によって、「ニオイ」が溜まりやすい部屋とそうでない部屋があり、「ニオイ」対策の必要性も変わってきます。スタッフや来院者、犬猫ともにストレスのない空間を設計することを心がけています。
 
また、トリミング室や処置室で発生する毛を放置したままにすると毛が舞い上がり空調機や排気口のフィルターについてしまうことが多く、こまめな掃除なども必要になりますので、掃除がしやすい機器や壁・床の素材を選定することも効果的です。
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2階にあるトリミングルーム
「音」については、基本的に窓等の開口が多いほど外に出てしまうことになるため、壁になる部分を多くする、というのが基本的な対策になります。この時、窓を減らしてしまうと、換気ができなくなるので、換気機器を使って換気量を確保する必要があります。防音対策は勿論のこと、換気方式も有効な「音」対策なのです。

その他にも、動物が付けてしまう傷や、動物病院ならではの使い方への配慮も必要です。
傷については、動物が爪や歯で机や壁・床を傷つけてしまうことへの対策となります。また、スタッフの方の業務がしやすく、日々のお手入れもしやすい設計であるように気を付けています。

―上村先生に、実際の設計時の取り組みや考え方を、2023年夏に移転の際に設計したライト動物病院の事例でお話を伺いました。

「ニオイ」対策
換気の制気口の設置場所を考慮し、空気の流れをつくる

動物が集まる場所や長く滞在する部屋では「ニオイ」が溜まりやすいため、設計段階で換気が十分に行われるように考慮する必要があります。今回は、酒井院長と予算面も含めた相談を行い、まずは排気が安定して行えるように、第三種換気をベースに換気計画を行っています。
※第三種換気・・・給気側は開口のみとし、排気側のみに機械式ファンを設置しすることで確実に排気を行う換気方式。

特に「ニオイ」が発生しやすい入院室やペットホテルの部屋では、換気量を上げているため、「ニオイ」・「音」対策、省エネを目的として第一種換気方式のひとつの全熱交換器を採用しています。

院内全体で「ニオイ」を防ぎやすい環境にするために、ワークゾーンの空気とクライアントゾーンの空気が混ざらないように空調換気機器をレイアウトし、クライアント側からワークゾーン側に空気が流れるように制気口の位置を設計しました。
※第一種換気・・・給気と排気の両方を機械的に換気することで、給気量と排気量を保つようにする換気方式。

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入院室

「ニオイ」対策と空気の清浄度を高めた手術室

 

今回、特に「ニオイ」対策をした部屋として手術室があります。
手術室は、施術中に便などが出てしまったり、整形外科のような手術を行うことがあるため、「ニオイ」対策はもちろん、清潔度を高く保つことも重要です。

そのため、換気量を高く保つことができ、外気をそのまま入れにくい全熱交換器を採用。さらに、パナソニックさんの商品に「エアシー」という、空気の汚れを高性能フィルターで清浄できる、天井埋込型空気清浄機があるので、手術室に採用しました。
これにより、空気の「ニオイ」を抑えながら、常に新鮮で清潔な空間を設計できました。

 

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エアコン・空気清浄機・全熱交換器を設置した手術室

「音」対策
騒音を防ぐための窓と壁の配置を、空調機器で実現

窓を少なくして壁を多くすることで、防音対策につながりますが、病院の入り口に窓がないと中が見えにくく、飼い主の方は入りづらい気持ちになってしまうと思います。
ただ防音対策をするのではなく、飼い主の方と過ごすエリアと、動物が過ごすエリアで、騒音がどれくらい出てくるかを考慮することが大切です。飼い主の方も過ごす入口側は窓を大きくとって開放感を残し、裏側の動物が長い時間過ごすエリアの防音を強化する、という考え方で設計します。

防音対策が特に必要な部屋としては、動物が長い時間滞在することになる入院室やホテルがあります。こういった部屋は、窓をなくして壁だけにしてしまうことも多いのですが、すると窓からの自然換気が行えなくなります。部屋の換気が不足すると、動物にとってもスタッフにとっても快適性を損なってしまうため、必要な換気量を事前に設計して、空調機器で排気と給気をコントロールする必要があります。

犬と猫で防音対策と空気の調節を変える

ライト動物病院では、犬と猫で待合室や診察室を分けています。
これは、どうしても猫は犬を怖がってしまうことが多いので、ストレスにならないように、なるべく犬が見えないように設計時に工夫しています。ライト動物病院のようにある程度規模がある場合は場所で分けますが、規模が小さな病院でも、診察時間を犬と猫で分けるなどの運用で分けることも多いです。

 

―入院室は犬と猫で居室が分かれていますが、犬の居室だけ全熱交換器が付いています。その理由を教えてください。

同じ動物の入院室でも、犬と猫では必要な防音対策が異なります。

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犬の部屋は密閉度の高いエアタイプのドア

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猫の部屋は引戸

猫はあまり大きな声では鳴きませんが、犬の場合は吠えるため、防音対策を手厚くする必要があります。そのため、犬の居室のほうは、より防音効果が高いエアーロックがかかるタイプのドアを採用して、部屋の密閉度を上げる、という対策をしています。

密閉度を高める場合、必然的に換気量を高くすることが求められますので、犬の居室のみに第一種換気が行える全熱交換器を設置して、換気量を確保しています。ちなみに、猫の居室はアンダーカットのある開き戸か引き戸にして、ドアの隙間から十分な換気量を確保しています。

全熱交換器について

一般の換気の場合

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通常の窓開け換気の場合、窓を通って外気が入るだけでなく、騒音も出入りしてしまいます。また、窓が閉まっている状態でも音漏れは発生します。

今回導入した全熱交換器の場合

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全熱交換器を導入すると、窓からの直接の換気ではなく、ダクトと全熱交換器内を通った空気で換気が可能です。

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全熱交換素子により、室内からの排気と屋外からの新鮮な空気を熱交換しながら換気します。
空調の熱ロスが少なくなるだけでなく、熱交換素子により、遮音効果も期待できます。

※機種により熱交換率は異なります。

スタッフが働きやすい環境が、動物にも快適な病院につながる

その他にも、動物病院としての快適さを上げるための基本的な工夫も取り入れています。

動物病院では、動物がコンセントに触れたりおしっこをしてしまうのを防ぐために、通常は床から30cmくらいの位置に設置するものを50cmほどの高さにしています。他にも、動物病院でよく使われる機材なども、動物に合わせた高さを意識して配置することで、スタッフの方の使いやすさを高めています。

床材を選ぶ際も動物やスタッフの方の使いやすさを重視しています。通常の床材を使用すると、人間は大丈夫でも動物の足にとっては滑ってしまい、ストレスになることがあります。また、表面のプリントが動物の爪などで傷ついてしまい、あっという間に消耗してしまうことも。私が今回選んだのは、動物の足でも滑りにくく、耐久度も高い単層構造の床材を選定しました。

 

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また、この床材を貼り付ける際、壁の巾木(はばき)部分まで巻き上げています。これは、普通の床と壁の構造では、床と壁のわずかな隙間があり、そこにおしっこなどがしみこんでしまうことを防ぐのが目的です。床と壁の隙間をなくなることで、おしっこがしみこみにくくなるので、スタッフの方がお手入れしやすさが上がります。

パナソニックの空調・換気を採用してみて

空気の設計を一緒に進められるパートナー

―これから動物病院の開業や移転を検討している方にアドバイスをいただけますか

建築工事はもちろん大事なのですが、空気の流れを考慮することも重要で、動物病院の特性に対応でき、なおかつ予算にあう空調機器の選定が必要になると考えています。施主の方が、機器の導入を一人で進めるのは難しいので、誰と進めていくか、というのがまず何よりも大事だと思います。
どんな意図で、どんな空気環境づくりをするのか、これが動物たちや飼い主の方、ひいてはスタッフの方に満足していただける環境になるのではないかと思います。

―パナソニックの空調・換気を採用してみていかがでしか?

パナソニックさんに部屋のレイアウトや用途を説明し各換気回数の考え方をお伝えし、その上で必要な換気量の算出、空調の負荷計算、空調・換気機器の選定をいただきました。それにより私としては設計の進行がスムーズだったと思っています。空調・換気計画をまとめてできたのは助かりました。
私の場合は動物病院が専門になりますが、同じように「ニオイ」の問題が発生する施設や、騒音の問題を解決したい方にはおすすめできると思います。

動物病院の設計について相談するarrow_forward_ios
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ライト動物病院 設計事例:施主様インタビュー

酒井康二 院長

移転をきっかけに、ニオイと鳴き声「2大課題」を解決

より快適な病院を目指して2度目の移転を2023年に実施。
動物病院内のニオイや外部への音漏れに課題を感じ、上村氏とともに「快適な院内」を目指して空調を含めた院内全体の設計を進め、2大課題の解決を実現した事例を施主様側の目線でご紹介いたします。

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空調・換気機器 設置図面

1階

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2階

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納入機器

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1方向 天井カセット形エアコン

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天井埋込形 全熱交換器

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天井埋込形 空気清浄機

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天井埋込形 換気扇

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STEP

導入までの流れ

ステップ1

資料請求/お問い合わせ

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まずは無料のパンフレットで、パナソニックが作る空間の特徴をご覧ください

ステップ2

無料 体験会&お見積り

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ご予算とお悩みに合わせて無料で見積り&ご提案。ショールームでの無料体験会にもご参加いただけます。

ステップ3

ご契約/施工

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ご提案内容にご納得いただいたプランでご契約いただけます。工事日もご都合に合わせて調整させていただきます。​

ステップ4

アフターサービス

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導入後のお悩みも、担当までお気軽にご相談ください。保証期間(※1)は無料で修理の対応をいたします。​

※1 通常のご使用での故障を保証します。消耗品交換や清掃などの保守サービスは有償です。​

パナソニックはクリニックの課題を解決する
空調環境をご提案します。
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