クリニックの開業に向けて内装工事を進めていく際、どうやって業者を選び、依頼したら良いのか悩ましいものです。クリニックの開業にあたっては、医療施設特有の法律や規制に対する配慮が必要となります。
設計・施工は多くの費用と時間がかかる工程であり、これからの人生の大半の時間を過ごす場所であることを踏まえると、信頼できる人や業者に依頼することが望まれます。本記事では、工事に取り掛かる前に知っておきたい設計・施工の豆知識や業者選定のポイントについて紹介します。
目次
- クリニックの設計・施工の豆知識
- 設計・施工の法規制
- おさえておきたい3つのポイント
- 内装デザインのポイント
- 設計・施工の法規制
- 自院にあった内装業者の選び方
- 内装業者の種類
- 実績や専門性の確認
- 発注までのスケジュール
- 内装業者の種類
クリニックの設計・施工の豆知識
設計・施工の法規制
クリニックの設計を進めていく際には、建築基準法、医療法、消防法、バリアフリー法などによる法規制をクリアすることが求められます。中でも開業計画に大きく影響するのは、有床診療所か無床診療所かといった「入院施設の有無」という点です。建築基準法においては、20床以上ある医療施設は「病院」と定義され、19床以下は「診療所」扱いとなります。しかし、1床でも入院ベッドがあり、かつ延床面積が100㎡以上の場合は「特殊建築物」となります。特殊建築物になると、避難経路や内装制限などの規定は非常に厳しくなります。
特殊建築物には、例えば、学校、病院、劇場、百貨店、旅館、工場などが含まれます。現行の規定では、無床のクリニックは特殊建築物には該当しません。ちなみに消防法では、「4人以上の患者を入院させるための施設を有する診療所」を有床診療所と定めているため注意が必要です。このように、医療施設特有の法律や規制が存在するため、設計・施工を進める際には設計会社や施工会社の実績をしっかりと確認するようにしましょう。
おさえておきたい3つのポイント
クリニックの設計・施工を進めるにあたって、おさえておきたい3つのポイントを紹介します。
①動線の設計
動線の設計では、患者・家族はもちろん、スタッフにも配慮した設計を検討する必要があります。気をつけておきたいポイントとしては、患者・家族とスタッフの動線が一緒にならないことです。動線を分けることで、落ち着いて待ち時間を過ごすことができます。
②電気・空調・水道などの設備要件の確認
電気、空調、水道などの設備は、内装工事段階で丁寧に確認しておく必要があります。例えば、CTやMRIを導入する場合は大容量の電気が必要となります。ブレーカーや分電盤の新設・増設などを必要に応じて検討しましょう。また、レイアウト設計に合わせた空調や換気設備も必要となります。ここがマッチしていないと、快適性の悪化や電気代の増加に繋がりかねません。各設備工事でどのような対応が必要か、早いうちから確認しておくことをおすすめします。
③コミュニケーション
建築士、設計士、施工業者と細やかなコミュニケーションを取っていくことが重要です。どのような内装にしたいという要望に加え、これからできるクリニックのコンセプトや経営理念をしっかりと伝えるようにしましょう。また、着工後も可能な限り現場に足を運ぶことをおすすめします。工事の進捗状況が確認でき、場合によっては初期段階であれば軽微な変更に対応してもらえる可能性があります。
内装デザインのポイント
クリニックの内装デザインにあたって、おさえておきたい4つのポイントを紹介します。
①居心地の良さ
患者が少しでも快適でリラックスして過ごせる内装や空間づくりを考えましょう。クリニックに来る患者は、不安やストレスを感じているケースが多くあります。待合室が狭かったり暗かったりすると、ストレスを感じてしまうかもしれません。例えば、開放的で明るい空間デザインを取り入れたり、座り心地のよいソファを設置することで、患者のストレスが緩和できる可能性があります。また、トイレは十分な広さと明るさを確保し、清潔感がある内装にしましょう。
②衛生面への配慮
クリニックは患者の健康に直接関わる重要な場所で、清潔感を重視する必要があります。クリニックの中が汚れていると、感染リスクを高めたり、患者に不信感を与えたりすることがあります。適切な換気設備や抗菌仕様の壁材の利用、空気清浄機や消毒スプレーの設置など、清潔な状態を保てるように気を配りましょう。また小児科を開院する場合、生後半年〜1歳頃の赤ちゃんは床に手をついてハイハイしたり、床にあるものを手に取って口に入れてしまったりします。そのため、床は土足やスリッパを避け、床暖房システムを導入するのが理想的です。
③ユニバーサルデザイン
見た目だけに気を取られず、誰もが使いやすいデザインを取り入れましょう。院内全体のバリアフリー化は基本となります。車椅子やベビーカー、杖をついて来院する方などがいることを考慮し、丁寧なシミュレーションを行いましょう。
④プライバシーの確保
プライバシーの確保は、患者にとって非常に大切な要素です。例えば、診察室の防音設計が不十分だと、待合室で診察内容が聞こえてしまうことがあります。そのため、待合室と診察室を完全に仕切ることが求められます。その他、待合室での会話もプライバシーに関係するので、患者同士の会話が聞こえないように設計する必要があります。具体的には、椅子の配置や部屋の間取り、あるいは音楽を流すなどの方法が挙げられます。
自院にあった内装業者の選び方
ここからは、内装業者の種類と役割をそれぞれ紹介します。またどのように発注まで進めていくかもあわせて解説していきます。
内装業者の種類
設計会社 |
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施工会社 |
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設計施工会社 |
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内装設計・デザイン会社 |
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工務店 |
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実績や専門性の確認
依頼をする前には、会社の実績や専門性を確認するようにしましょう。実績はついデザインに注目してしまいがちですが、医療施設の実績や専門知識がある業者なのかなどを確認する必要があります。医療施設の内装は、医療機器などに関連した専門的な仕様が多くあります。配管や電気等の設備に詳しい会社でなければ、そもそもクリニック運営ができなくなってしまいかねません。完成後、患者や保護者、スタッフが快適に過ごせる理想の空間になるよう、イメージをすり合わせながら丁寧に進められる業者を選びましょう。
発注までのスケジュール
業者に発注するまでの段取りは、以下の通りです。
<新築で開業する場合>
- 土地の選定
- 打ち合わせ日の調整
- 打ち合わせ
- 土地の現地調査
- プレゼンテーション
- 検討
- 地盤調査
- 基本設計と概算見積もり
- 実施設計と本見積もり
- 契約
<テナントを借りる場合>
- 物件の選定
- 打ち合わせ日の調整
- 打ち合わせ
- 物件の現地調査
- 業者から提案を受ける
- 検討
- 発注
問い合わせをしてから発注に至るまで、思った以上に工数がかかってきます。相見積もりも取ることを踏まえて、業者選びには時間がかかることを覚えておきましょう。
まとめ
以上、本記事では設計・施工の基礎知識と業者選定のポイント、工事を進める上でおさえておきたい3つのポイントについて解説しました。業者選びは、失敗しないよう根気強く探していくことが大切です。本記事で紹介させていただいたポイントを参考に選定していけば、きっと信頼のできる事業者に巡りあえるはずです。
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