8月 2, 2023
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開業医と勤務医、どちらが最良の選択?

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パナソニック空質空調社では、クリニック開業を検討している方々をサポートするためのコラムを提供していきます。

私たちは空間や空気に関わるソリューションを提供する企業ですが、これまでにさまざまなクリニックの開業と運営を間近で見てきました。その経験の中で、これからクリニックを開業される方がぜひ知っていておいた方がよいと感じたことを紹介していきます。


目次


 

 

開業医/勤務医のメリット・デメリット

まず、医師としての働き方は大きく「開業医」と「勤務医」の2つに分けられます。それぞれに以下のようなメリット・デメリットがあります。

 

  開業医 勤務医
メリット
  • 自分で医院の方針を自由に決められる
  • 業績を上げれば収入は青天井
  • 節税対策ができる
  • 診療以外の業務負担が少なく診療に専念できる
  • 職場環境が合わなければ転職することも可能
デメリット
  • 経営者としての業務が発生し、診療に専念するのが難しい
  • 院内の診療業務で発生するリスクはすべて負わなければならない
  • 経営が悪化すると収入がもろに減少する
  • 簡単に辞められない
  • 医院の診療方針に従わなければならず自由度が低い
  • 報酬に上限がある
  • 節税対策に限りがある

「開業医」と「勤務医」の2つの働き方はどちらが良い・悪いというものではなく、どちらも一長一短です。自分自身がどのような働き方を望むか、どのような人生を歩みたいかによって選択することが大切になります。

 

 

クリニック開業を検討するタイミング

クリニック開業は早いタイミングか遅いタイミングか、どちらがよいのでしょう?

それぞれメリット・デメリットがありますので、慎重に検討しましょう。早いタイミングでは、専門性の確立やイノベーションへの挑戦が可能であり、遅いタイミングでは経験と安定、財務的な安定が得られる可能性があります。

重要なのは、自身の経験や目標、環境をよく考慮し、計画的な準備を行いながら、最適なタイミングで開業することです。

 

開業のタイミング 早い場合

遅い場合

メリット
  • 専門性の確立
    早いうちから経験を積むことで、特定の分野で、専門家としての地位を築くことができます。これにより、患者からの信頼を高めることができます

  • 新しいことへの挑戦
    一般的に若い世代の方が新しいアイディアや技術に対する理解が早く、イノベーションにも積極的です。積極的な姿勢によって、新しい医療サービスや治療法を提供できるチャンスが増えます

  • 失敗へのリカバリー
    若い時期に開業すれば、例え失敗してもやり直しが効きます。失敗を経験することで、より成熟したクリニックを築く可能性が高まります
  • 安定した創業
    医師としての経験と信頼を積んだ状態で開業に踏み切れるため、安定したスタートが切れます

  • 的確な経営判断
    医療業界への理解が深まることで、経営面でもより成熟した判断を下すことができます

  • 財務面でのリスク回避
    開業が遅いほど計画的に資金を準備する期間が確保できるため、財務面でのリスク回避の可能性が高まります
デメリット
  • 経験・知識の不足

    クリニック開業には、診療以外に経営や管理、財務など、多岐にわたるスキル必要になります。十分な経験がないうちは手が回らず、開業後に困難に直面する可能性があります

  • 財務面のリスク

    開業が早いほど、事前に十分な資金を準備することが難しくなります。入念な資金計画とリスクマネジメントが求められます

  • 市場変化への適応

    遅い段階での開業では、新しいことへの試行錯誤が少なくなりがちです。その結果、常に変化する医療業界において、適応がむずかしくなる場合があります

  • 新たな挑戦への抵抗

    長年の経験は合理的な判断を助けますが、一方で新たな挑戦への抵抗を生むこともあります。新しいアイディアや技術を取り込むことが遅れると、競争力の低下を招くことがあります

 

クリニック開業においては、医業承継という方法もあります。すでにあるクリニックの経営基盤を受け継いでスタートできるため、経営的なリスクは低くなります。ただし、条件にマッチする売り手を探す必要があり、狙ったタイミングでの開業は困難になります。医業承継での開業を目指す場合は、長期的に取り組むことが必要です。

 

 

クリニック開業を取り巻く時代環境の変化

しかし、ここ数十年で時代は大きく変わり、社会の価値観や医療業界を取り巻く環境も大きく変化してきました。私たちの主観的な意見も若干入りますが、医院経営のリスク(人材不足、物価高騰・人件費高騰によるコスト高、コンプライアンスの問題など)がひと昔前と比べると格段に上がってきています。

つまり、クリニックを開業するメリットとデメリット(リスク)のバランスが変わってきています。令和時代の医師の生き方として、無理にリスクを負って開業するだけがすべてではなく、一生勤務医で医師人生をまっとうするという選択もあると考えます。「開業医になる」「一生勤務医でいる」によって、医師として歩む人生はまったく変わってきます。仕事と医師の人生は直結しますので、先生がこの先どのような人生を生きていきたいかよくお考えいただき、選択していただきたいと思います。

 

 

クリニック開業方法の大きな二分化

とはいえ、開業よって自分の理想とする診療や社会貢献が実現できる、やり方によって十分に収益を上げることができる、といった魅力は依然として存在します。ちなみに、昨今では開業の形態も大きく二つに分けられます。

① 資金力と人材力のある大型医療法人の分院展開
② 個人による一般的な開業

 

①の分院展開による開業で院長になった場合、オーナー(医療法人の理事長など)から雇用されている立場となるため、完全に自由な独立・開業とはいえません。つまり「開業医になる」ということは、②個人による一般的な開業のことを指します。

 

 

クリニック開業資金の準備と使い道

医院を開業するためには多額の資金(開業資金)が必要となります。開業資金の用途の内訳は、クリニックを設立するための「初期費用」と、開業後にクリニックを運営するための「運転資金」に分けられます。開業前にはできるだけ自己資金をためておきたいものの、自己資金だけで開業費用を賄うことは現実的になかなか困難です。開業する場所や科目、医院の規模にもよりますが、数千万~億単位の費用がどうしてもかかってくるため、金融機関から高額な借入が必要になります。そうなると、開業時からいきなり債務者(借金を返す立場)となりリスクを負うことになります。

 

開業資金の内訳

初期費用 運転資金
  • 店舗費用
  • リフォーム費用
  • 設備・家具費用
  • 初期人件費
  • 初期仕入れ費 等
  • 店舗家賃
  • 人件費
  • 仕入れ費用 等

また、開業後も医療技術の進化に合わせて新たな設備投資が必要になることもあります。人材(スタッフ)に対しても、教育研修、社会保険、福利厚生、昇給といった形で投資が必要になります。

 

 

開業するなら診療以外の業務もバランスよくこなす必要がある

開業するということは、診療のみならず、医院を運営するための経営者やマネジメントの業務も必要となります。つまり勤務医の時と違い、採用、人事、広報、渉外、経営、税務、労務などの業務もしっかりと行わなければなりません。これらの役割を一人で担うのは大変な負担につながりますので、専門家に協力を仰ぐことも検討しましょう。例えば、社労士に労務管理を依頼すると、クリニック向けの就業規則や雇用契約の作成を手伝ってもらえます。また、人材の募集や採用も一括で頼める場合もあります。経営のアドバイスは開業コンサルタント、税に関する質問は税理士に相談するなど、専門家のサポートを活用することで、より安心して開業することができます。

 

 

医師としての生き方を考えて進む道を選ぶ

繰り返しになりますが、医師としてどのように生きたいのか?また、医師人生をどのように終えるかをよくお考えください。先生にとって、開業する方が良いのか?もしくは勤務医として長く勤められる医療法人を探すのが良いのか?慎重に考えた上で、どちらの道を進まれるか選択いただければと思います。勤務医、開業医どちらにも魅力やメリットがあり、どちらが正解ということはありません。

 

最近では、医師の安定雇用のために福利厚生を整備し、定年制を導入している医療法人も増えてきております。勤務医として今後過ごされる場合、良い働き場所(一生働ける医療法人)を探すことが医師として重要な生き方になるかもしれません。

 

一方で、個人開業を選択するのであれば、「どの物件で開業するか?」も重要ですが、「誰と開業するか?」も重要です。開業は多額のお金を投資する大事業ですので、一緒に開業まで二人三脚でサポートしてもらえる業者を選定することはとても重要な要素のひとつかと思います。

 

パナソニックなら理想のクリニックづくりの設計段階からサポートします。お気軽にお問い合わせください。

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記事監修:MESプロモーション株式会社