業務用エアコンの掃除は、快適な室内環境を維持し、効率的な運転を続けるために欠かせない重要な作業です。
エアコンのフィルターや内部に汚れが溜まると、冷暖房効果が低下し、エネルギー消費が増加するだけでなく、健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。
しかし、「自動清掃機能が付いていても掃除が必要なのか」「そもそも自分で掃除しても大丈夫なのか」と疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、業務用エアコンの掃除は自分でもできるのか、掃除の必要性、掃除方法などについて詳しく解説します。
適切なメンテナンスを行うことで、エアコンの寿命を延ばし、コスト削減にもつながります。
\エアコンを長持ちさせるために/
▼目次
自動掃除機能がついていても業務用エアコンの掃除は必要?
自動掃除機能が搭載されているエアコンでも、ダストボックスにホコリが溜まるため、定期的に自分でホコリを取り除く必要があります。
あくまで自動掃除機能はフィルターのゴミやホコリを取り除く機能であるため、フィルター以外の掃除は同様に行う必要があります。
業務用エアコンの掃除は自分でもできる
業務用エアコンの掃除は、業者を呼ばずに自分で行うことが可能です。
ただし、業者へ依頼したほうが良いパーツとケースもあります。
自分で掃除しても良い箇所は、フィルター、化粧パネル、本体の外側、吹き出し口です。
一方、送風ファンや熱交換器などの内部パーツは、業者へ依頼したほうが良いでしょう。
■自分で掃除しても良い箇所・業者へ依頼したほうが良い箇所
自分で掃除:フィルター、化粧パネル、本体の外側、吹き出し口
業者へ依頼:上記以外の内部パーツ(例:送風ファン、熱交換器)
■業者へ依頼したほうが良いケース
【長期間クリーニングしていない場合】
2年以上、エアコンの内部クリーニングをしていない場合は、汚れがかなり溜まっているため、業者に掃除を依頼しましょう。
【使用時に異常が見受けられる場合】
異臭や異音がする場合には、エアコン内部の問題(故障など)が考えられるため、業者に見てもらうことをおすすめします。
【古い場合(中古の場合、オフィスを借りたときに設置されていた場合など)】
中古のエアコンを購入した場合や、オフィスを借りたときにすでにエアコンが設置されていた場合は、早めに業者のクリーニングを行いましょう。
エアコンは使用年数が長いほど内部に汚れが溜まりやすく、故障するリスクも高まります。
故障やケガのリスクを避けるためにも、上記3つのケースに当てはまる場合は、業者にクリーニングを依頼することをおすすめします。
業者への依頼については「業務用エアコンを業者にクリーニングしてもらう場合」をご参考にしてください。
業務用エアコンの掃除を行う必要性・メリット
業務用エアコンの掃除を行う必要性やメリットとしては、以下の4点が挙げられます。
- 省エネで電気代を節約
- 快適な室内環境の維持
- エアコンの寿命延長
- トラブルの予防
それぞれ見ていきましょう。
【1】省エネで電気代を節約
業務用エアコンの掃除をするメリットの一つとして、省エネ効果があります。
エアコンの内部やフィルターが汚れると、空気の流れが妨げられ、設定温度に達するまでに時間がかかるため、運転時間が長くなります。消費電力量が上がり、電気代も高くなってしまうでしょう。
定期的な掃除を行うことで、エネルギー効率を高め、電気代の節約につながります。特に、業務用エアコンは家庭用エアコンに比べて消費電力が高いため、掃除による省エネ効果も大きいです。
【2】快適な室内環境の維持
エアコンを掃除することで、室内環境を快適な状態に保つことが可能です。
エアコンの掃除をしないままにしていると、汚れやカビが蓄積し、健康上の問題を引き起こす場合があります。エアコンの運転中に以下のような症状が現れる場合は、エアコン内のカビや汚れが原因の可能性があります。
健康被害の例 |
症状・疾患名 |
アレルギー |
くしゃみ、鼻水、目や皮膚のかゆみ など |
呼吸器疾患 |
喘息、気管支炎 など |
神経や免疫系への影響 |
倦怠感、息切れ、頭痛 など |
定期的な掃除で快適な室内環境を実現し、従業員の健康と快適さを向上させましょう。これにより、作業効率も期待できます。
【3】エアコンの寿命延長
定期的な掃除を行うことで、エアコンの寿命を延ばすことができます。
汚れが溜まった状態でエアコンを使用し続けると、機器全体に負荷がかかり、故障の原因になるためです。
定期的な掃除によってエアコンの寿命を延ばせば、修理や交換にかかるコストの削減ができます。また、突然の故障によるビジネスへの影響も最小限に抑えることができます。
【4】トラブルの予防
定期的な掃除は、汚れが原因で起こるトラブルや、冷暖房の効果の低下を防ぐ効果があります。
掃除をしないままエアコンを使用すると、従業員の健康リスクや、業務の効率低下といったトラブルを招きかねません。
また、清掃時に部品の摩耗や劣化を早期に発見することができ、トラブルの予防につながるケースもあります。
業務用エアコンを自分で掃除する方法
ここでは、業務用エアコンを自分で掃除する方法を詳しく解説します。
まずは道具の準備と掃除を行うときの注意点を把握しておきましょう。
■必要な道具
- マスクやメガネ(汚れを被らないようにするため)
- 掃除機
- 中性洗剤(台所洗剤、クリーニング用洗剤など)
- やわらかいスポンジやブラシ
- 雑巾、タオルなどの拭けるもの
■掃除を行うときの注意点
- 分解はしない
- 電気系統には触らない
- 40℃以上のお湯を使わない
- 揮発性のものなどは使わない(例:アルコール消毒液、ベンジンやシンナー、磨き粉、市販の液状殺虫剤、消毒スプレーなど)
- 乾燥時に次の方法を取らない(ドライヤー、ストーブ、直射日光での乾燥)
道具を準備し、注意点を確認したら、以下の手順でエアコンを掃除していきます。
- エアコンの取扱説明書を確認する
- ブレーカーを落とす
- フィルターを外して掃除を行う
- 化粧パネル・吹き出し口・本体の外側を拭く
- フィルターを元に戻す
それぞれの手順について、詳しく見ていきましょう。
1.エアコンの取扱説明書を確認する
エアコンの正しい取り扱い方法は種類によって異なるため、まずは取扱説明書を確認し、メーカーが推奨する方法に従って掃除を行いましょう。説明書を確認せずに自己流で掃除を行うと、エアコンの故障リスクが高まる可能性があります。
パナソニックの業務用エアコンの取扱説明書は、以下のリンクから検索することができます。
2.ブレーカーを落とす
電源が入った状態で掃除を行うと感電する危険性があるため、作業を始める前には安全を確保するために必ずブレーカーを落としてください。電源プラグを使っている場合には、抜いて作業する事も可能です。
3.フィルターを外して掃除を行う
電源の供給を停止し、安全を確保したら、フィルターの掃除に取り掛かりましょう。フィルターの掃除は、エアコンの性能維持に欠かせない重要な作業です。
以下に、フィルター掃除の基本的な手順を紹介します。
【1】フィルターを取り外す
取扱説明書に記載の方法に従って慎重に取り外しましょう。(変形や破損を防ぐために無理に取り外さない)
【2】汚れを取る
まずは掃除機を使い、裏表の両方から掃除機をかけてフィルターの汚れを吸い取っていきます。そのあと一度水洗いをし、洗剤を使ってスポンジやブラシで優しくこすり洗いをします。(変形や破損を防ぐために強くこすりすぎない)
【3】しっかりと乾かす
清潔なタオルを使って水分をやさしくふき取ります。このとき、フィルターを2枚のタオルで挟むように拭くと、より効率的に水気を取り除くことができます。
その後、風通しの良い場所でフィルターの陰干しをします。(直射日光の当たる場所は避ける)
ただし、機種によって方法が異なる場合があるので、必ず取扱説明書の指示に従ってください。
4.化粧パネル・吹き出し口・本体の外側を拭く
化粧パネル・吹き出し口・本体の外側の掃除については、基本的に水拭きだけで十分です。しかし、水拭きだけでは取れない汚れがある場合は、中性洗剤を水で薄めたタオルを使用して拭き取ります。その後、きれいなタオルでから拭きをして完了です。
5.フィルターを元に戻す
フィルターが完全に乾燥したら、元の場所に取り付けます。フィルターを外したときと同様に、説明書に記載されている手順に従って行ってください。
業務用エアコンを自分で掃除する頻度
業務用エアコンの掃除頻度は、業種や使用頻度によって異なります。特に飲食店や病院では、一般的なオフィスより頻繁に掃除が必要です。
■掃除頻度の目安
業種・設置場所 |
掃除の目安 |
オフィスや事務所の場合 |
・エアコンのクリーニング:2年~3年に1度 ・フィルターの清掃:2ヶ月に1度 |
飲食店・病院・工場などの場合 |
・エアコンのクリーニング:1年に1度 ・フィルターの清掃:1ヶ月に1度 |
定期的な掃除によって、空気の清浄度を保ち、適切な環境を提供・維持することができます。業務が忙しく、なかなか対応できないという場合は、エアコンメーカーへの掃除の依頼をするのも選択肢の一つです。
業務用エアコンを業者にクリーニングしてもらう場合
業務用エアコンの掃除を自分で行うのが難しい場合や、より専門的なクリーニングが必要な場合は、プロの業者に依頼するのが賢明です。
プロの業者に依頼する際の主な選択肢としては、以下の2つがあります。
- 一般的なクリーニング業者
- エアコンメーカー
それぞれの特徴について詳しく解説します。
一般的なクリーニング業者への依頼
一般的なクリーニング業者に業務用エアコンの掃除を依頼すると、単なるフィルター清掃だけではなく、機器全体の徹底的なクリーニングを行ってくれます。
■主な清掃箇所:
- 熱交換器
- パネル
- エアフィルター
- ファンローター
- 化粧パネル(ドレンパン)
これらの部分は汚れやホコリ、カビが溜まりやすく、掃除するためには専門的な知識と技術が必要です。プロの手による丁寧な洗浄で、エアコンの性能を回復させることができます。
業者によっては、ドレンホースに水を大量に流して掃除するサービスもあります。掃除を依頼するときには、どの部分を掃除してもらえるのか事前に確認しておくと安心です。
所要時間の目安 |
2~3時間 |
料金の相場 |
10,000~30,000円 |
複数台同時依頼で割引が適用される場合もあるので、業者のホームページなどで確認してみましょう。専門業者によるクリーニングで、エアコンを清潔に保ち、効率よく使用することができます。
エアコンメーカーへの依頼
業務用エアコンの掃除は、購入したエアコンのメーカーに直接依頼することも可能です。
また、メーカーによっては、製品の性能を長持ちさせるための定期的なメンテナンスサービスを提供していることがあります。パナソニックでもメンテナンスサービスを行っており、定期点検はもちろん、修理や冷媒漏れの点検もセットになっているため安心して利用できます。
メーカーのメンテナンスサービスを利用すれば、性能の著しい劣化を防ぎ、耐用年数より短い期間で使えなくなってしまう心配がありません。そのため、製品の適切な期間で減価償却を行えるでしょう。
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まとめ
エアコンの適切なメンテナンスは、快適な室内空質を保つために重要です。定期的に掃除をすることで、カビの発生や冷暖房効率の低下のリスク、故障のリスクを軽減できます。しかし、定期的に掃除しても汚れが落ちない、異臭がするなどの問題が解決しない場合は、エアコンの買い替えを検討する機会かもしれません。
パナソニックの業務用エアコンは、室内空気質の向上とメンテナンスのしやすさを重視した設計が特徴です。特に、ナノイーX機能搭載のモデルは、アレル物質、ニオイを抑制し、清潔で快適な空間を実現します。
業務用エアコンの定期点検やメンテナンスサービスも行っているため、購入時に合わせて検討することも可能です。詳しくは以下のお問い合わせページからご相談ください。
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