オフィスや病院に設置した業務用エアコン。日常的に使っているものの、なかなか掃除ができておらず、対応について悩んでいる方もいるかもしれません。そもそも自分でできるのか、業者を呼んで対応したほうが良いか、という点も迷ってしまうものです。
そこで今回は、業務用エアコンの掃除について自分で掃除する方法と、業者に頼む方法の2つに分けて詳しく解説します。
■この記事でわかること
- 業務用エアコンを自分で掃除する方法やポイントがわかる
- 業務用エアコンの掃除を業者に依頼する場合の対応、流れがわかる
業務用エアコンの掃除は自分でもできる
業務用エアコンのフィルターや本体の外側は、自分で掃除することが可能です。また、フィルターに自動掃除機能が搭載されているエアコンでも、ダストボックスにホコリが溜まるため、定期的に自分でホコリを取り除く必要があります。
ただし、故障やケガのリスクを避けるため、以下の3つのケースに当てはまる場合は、業者にクリーニングを依頼しましょう。
- 長期間クリーニングしていない場合
2年以上、エアコンの内部クリーニングをしていない場合は、汚れがかなり溜まっているため、業者に掃除を依頼しましょう。 - 使用時に異常が見受けられる場合
異臭や異音がする場合には、エアコン内部の問題が考えられるため、業者に見てもらうことをおすすめします。内部部品の故障などが考えられるためです。 - 古い場合(中古の場合、オフィスを借りたときに設置されていた場合など)
中古のエアコンを購入した場合、オフィスを借りたときにすでにエアコンが設置されていた場合は、早めに業者のクリーニングを行いましょう。エアコンは使用年数が長いほど内部に汚れが溜まりやすく、故障するリスクも高まります。
また、すでにエアコンの効き目が悪いなどの異常がある場合も、業者に掃除を依頼することをおすすめします。業者に掃除を依頼することで異常の原因が分かり、必要に応じて修理の依頼もできるでしょう。
業務用エアコンを自分で掃除する方法
業務用エアコンの掃除を自分でするときには、ホコリを被らないようにマスクやメガネを着用しましょう。また、掃除を始める前には、以下の道具を準備してください。
- 掃除機
- 中性洗剤(台所洗剤、クリーニング用洗剤など)
- やわらかいスポンジやブラシ
- 雑巾、タオルなどの拭けるもの
また、掃除を始める前に、取り扱い等の注意点もよく確認します。
■業務用エアコンの掃除を行うときの注意点
- 40℃以上のお湯を使わない
- 揮発性のものなどは使わない
- 例:アルコール消毒液、ベンジンやシンナー、磨き粉のほか、市販の液状殺虫剤、消毒スプレーなど
- 乾燥させるにあたって、ドライヤー、ストーブを使わない
- ※直射日光での乾燥も避ける
道具を準備し、注意点を確認したら、以下の手順でエアコンを掃除していきます。
- エアコンの種類を確認する
- ブレーカーを落とす
- フィルターを外して掃除を行う
- フィルターを元に戻してエアコン本体の外側を拭く
それぞれの手順について、詳しく解説します。
1.エアコンの取扱説明書を確認する
フィルターの外し方はエアコンの種類によって異なりますので、取扱説明書を確認すると確実です。
主なエアコンの種類・外観・特徴を下表にまとめました。
種類 |
外観 |
特徴 |
天井埋め込み型 |
|
・カセット型、ダクト型がある ・それぞれ化粧パネルが全面に出るか、吸込口だけ出ているかの違い |
天井吊型 |
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・天井や壁面に露出設置されている機種 |
床置き型 |
|
・床に置いて使用する機種 |
2.ブレーカーを落とす
電源が入った状態で掃除を行うと感電する危険性があるため、作業を始める前には安全を確保するために必ずブレーカーを落としてください。電源プラグを使っている場合には、抜いて作業する事も可能です。
3.フィルターを外して掃除を行う
電源の供給を停止し安全を確保したら、フィルターを取り外して掃除をしていきます。基本的に、フィルターの掃除は説明書に記載されている指示に従って行いましょう。ここではフィルター掃除の大まかな手順を紹介していきます。
フィルターの汚れを取る
まずは、掃除機を使い、フィルターの汚れを吸い取っていきましょう。裏表の両方から掃除機をかけると、フィルターがキレイになります。そのあと一度水洗いをし、洗剤を使ってスポンジやブラシで優しくこすり洗いをします。
フィルターの汚れを取るときには、変形や破損を防ぐために、強くこすりすぎないよう注意しましょう。
フィルターをしっかりと乾かす
フィルターの水分は、清潔なタオルを使ってやさしくふき取ります。このとき、フィルターを2枚のタオルで挟むように拭くと、より効率的に水気を取り除くことができます。
その後、風通しの良い場所でフィルターの陰干しをします。直射日光の当たる場所は避けてください。
4.フィルターを元に戻してエアコン本体の外側を拭く
フィルターが完全に乾燥したら、元の場所に取り付けます。フィルターを外したときと同様に、説明書に記載されている手順に従って行ってください。
フィルターを取り付けた後は、エアコン本体の外側(パネル・吹き出し口・グリル)の拭き掃除をします。
エアコン本体の外側の掃除については、基本的に水拭きだけで十分です。しかし、水拭きだけでは取れない汚れがある場合は、中性洗剤を水で薄めたタオルを使用して拭き取ります。その後、きれいなタオルでから拭きをして完了です。
業務用エアコンを自分で掃除するときのポイント・注意点
業務用エアコンを自分で掃除するときには、以下の3つのポイントがあります。- 丁寧に扱う
- 分解しすぎない
- ケガに気を付ける
それぞれについて、詳しく解説していきます。
丁寧に扱う
業務用エアコンを自分で掃除するときには、エアコンの部品や本体を丁寧に扱いましょう。
フィルターはデリケートな部品であるため、汚れを取るときに強くゴシゴシと圧力をかけて掃除すると、変形や破損の原因になることがあります。破損を防ぐためにも、鋭利な道具の使用は避けてください。
また、フィルターや本体カバーの取り外しを無理に行うと、周辺のパーツを破損させる可能性があります。取り外しがスムーズにいかない場合は、リスクを避けるためにクリーニング業者に依頼しましょう。
分解しすぎない
業務用エアコンを自分で掃除するときには、分解しすぎないようにしましょう。エアコンを分解しすぎると、元に戻す方法がわからなくなったり、機器が壊れたりする原因になります。
特に、電装パーツやネジ、配線類などは壊れやすいため、なるべく触れないようにしましょう。細かい部分の掃除をしたい場合には、リスクを避けるためにも専門の業者に依頼することをおすすめします。
ケガに気を付ける
業務用エアコンを自分で掃除するときには、ケガをしないよう注意して行ってください。
特に天井埋め込み型や天井吊型のエアコンを掃除するときは、壁のない場所で脚立を使用するため、落下によるケガなどの危険があります。脚立からの落下は労働災害のような大きいケガにつながるおそれもあるため、誰かに支えてもらうなどして、安全に作業を行うことが重要です。
また、場合によっては、自動昇降パネルをオプションで追加することも検討しましょう。自動昇降パネルとは、リモコン操作でフィルターを自動的に上下させられるエアコンパネルです。フィルターの汚れを簡単に確認でき、高所で作業をする必要もないため、安全に掃除がしやすくなります。
業務用エアコンの掃除を業者に依頼する場合
業務用エアコンの掃除を業者に依頼する際には、どのような掃除を行ってくれるのでしょうか。ここでは、専門業者による業務用エアコンの掃除について、以下の2つのケースに分けて詳しく解説します。- 一般的なクリーニング業者への依頼
- エアコンメーカーへの依頼
それぞれ見ていきましょう。
一般的なクリーニング業者への依頼
一般的なクリーニング業者では、フィルターの掃除だけでなく、パーツを分解して細かな部分まで洗浄してくれます。
具体的には、熱交換器、パネル、エアフィルター、ファンローター、ドレンパンなど、汚れやホコリ、カビが溜まりがちで、自分では掃除が難しい多くの場所を洗浄してくれます。業者によっては、ドレンホースに水を大量に流して掃除するサービスもあります。掃除を依頼するときには、どの部分を掃除してもらえるのか事前に確認しておくと安心です。
エアコンクリーニングには、1台あたりおよそ2時間から3時間ほどの所要時間がかかります。料金は業者によって異なりますが、一般的に1台あたり10,000円から30,000円程度が相場になります。複数台を同時に依頼すると割引になる場合もあるため、依頼前にホームページ等を確認しましょう。
エアコンメーカーへの依頼
業務用エアコンの掃除は、購入したエアコンのメーカーに直接依頼することも可能です。
また、メーカーによっては、製品の性能を長持ちさせるための定期的なメンテナンスサービスを提供していることがあります。パナソニックでもメンテナンスサービスを行っており、定期点検はもちろん、修理や冷媒漏れの点検もセットになっているため安心して利用できます。
メーカーのメンテナンスサービスを利用すれば、性能の著しい劣化を防ぎ、耐用年数より短い期間で使えなくなってしまう心配がありません。そのため、製品の適切な期間で減価償却を行えるでしょう。
業務用エアコンの掃除に関してよくある質問
ここでは、業務用エアコンの掃除に関するよくある質問に回答していきます。
定期的に掃除しないとどうなる?
エアコンの掃除をしないままにしていると、さまざまな問題が発生するリスクがあります。
エアコン内部や部屋に堆積したカビがエアコンに吸い上げられることで、さらなるカビが発生し、異臭やアレルギーの原因になる可能性があります。
また、汚れが蓄積すると運転効率が低下し、電気代も高くなりやすくなるでしょう。汚れが溜まった状態で使用を続けると、機器全体に負荷がかかり、故障の原因になることもあります。
このような問題を避けるためにも、定期的に掃除を行い、エアコンを清潔な状態に保つことが大切です。
掃除の頻度はどのくらい?
業種や使用頻度によって異なりますが、掃除頻度の大まかな目安は以下になります。
業種・設置場所 |
掃除の目安 |
オフィスや事務所の場合 |
・エアコンのクリーニング:2年~3年に1度 ・フィルターの清掃:2ヶ月に1度 |
飲食店・病院・工場などの場合 |
・エアコンのクリーニング:1年に1度 ・フィルターの清掃:1ヶ月に1度 |
特に飲食店や病院では、一般的なオフィスより頻繁にメンテナンスが必要になります。定期的なメンテナンスによって、空気の清浄度を保ち、適切な環境を提供を維持しましょう。
業務が忙しく、なかなか対応ができないという場合はエアコンメーカーへの掃除の依頼をするのも選択肢の一つです。
業務用エアコンの掃除をして空間をキレイに保とう
エアコンの適切なメンテナンスは、快適な室内空質を保つために重要です。定期的に掃除をすることで、カビの発生や冷暖房効率の低下のリスク、故障のリスクを軽減できます。しかし、定期的に掃除しても汚れが落ちない、異臭がするなどの問題が解決しない場合は、エアコンの買い替えを検討する機会かもしれません。
パナソニックの業務用エアコンは、室内空質の向上とメンテナンスのしやすさを重視した設計が特徴です。特に、ナノイーX機能搭載のモデルは、カビやアレルゲン物質、ニオイを抑制し、清潔で快適な空間を実現します。
業務用エアコンの定期点検やメンテナンスサービスも行っているため、購入時に合わせて検討することも可能です。詳しくは以下のお問い合わせページからご相談ください。