店舗やオフィスは基本的に一般家庭よりも広く、業務用エアコンの設置台数が多くなるため、初期費用が高額になりがちです。また、同じ面積でもオフィスか飲食店かのような利用環境で適したエアコンは変わり、高い性能を持つほどコストは膨らみます。
このことから、高額な初期費用を抑える方法として、エアコンのリースを選択肢に入れる方も多いのではないでしょうか。リースは初期費用がかからないほか、節税効果や契約期間中のサポートの充実といったメリットがあります。
しかし、購入するよりも総額が高くなってしまうことが一般的であり、コスト削減とは言えないかもしれません。
そこで本記事では、業務用エアコンのリースにおけるメリット・デメリット、料金相場などを詳しく解説します。リースと購入のどちらにするべきか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
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▼ 目次 |
そもそもエアコンのリースとは何?
エアコンのリースとは、どのようなものなのでしょうか。また、レンタルとの違いを理解してから導入を検討したいものです。ここでは、「エアコンのリースの契約形態」と「リースとレンタルの違い」について説明します。
エアコンを長期間業者から借りる契約形態
エアコンのリースとは基本的に、エアコンを長期にわたって業者から借りる契約形態です。
リース契約では通常、初期費用は必要ありません。代わりに、リース契約をしている限り、毎月一定の額を業者に支払い続けます。
リースとレンタルの違い
エアコンのリースとレンタルは、契約形態と契約期間において、さまざまな相違点があります。
リースは、ユーザーが希望する特定のエアコンをリース会社が新たに購入し、貸し出す契約形態です。リース契約の多くは、短期ではなく中長期の契約が組まれます。
一方、レンタルではレンタル会社が既に所有しているエアコンをユーザーに貸し出します。一日単位や週単位など、リースよりも短期間の契約を組めるのが特徴です。
その他の細かな違いについては、下表をご参照ください。
項目 |
リース |
レンタル |
契約期間 |
中長期 |
短期 |
貸し出される商品 |
ユーザーが希望した商品をリース会社が新規購入 |
レンタル会社保有の在庫から賃借 |
中途解約の可否 |
不可(※) |
可能 |
料金 |
物件価格×リース料率(月額へ割り振り) |
時間・日数ごとに決められた一定の料金 |
契約期間終了後 |
返却・再リース・買取のいずれか |
返却または契約延長 |
※中途解約の場合、違約金が発生するケースがあります
エアコンをリースするメリット
エアコンをリースする主なメリットは、以下の5点です。
- 初期費用がかからない
- 購入より短期間での経費計上ができ、節税になる
- 管理事務の合理化が図れる
- 銀行借入枠の温存
- 契約期間中や契約終了後のサポートが手厚いものもある
それぞれについて、詳しく解説していきます。
初期費用がかからない
一般的にリースでは、初期費用がかかりません。特に業務用エアコンは、一般家庭用のものに比べて高価です。
機種によって費用に差はありますが、50万円以上することも珍しくありません。従って、高額な設備を初期費用なしで導入できるのは、大きなメリットと言えます。
購入より短期間での経費計上ができ節税になる
リースでも購入でも、最終的には全額を経費計上することが可能ですが、購入よりもリースのほうが短期間で経費計上ができ、節税になるというメリットがあります。
購入の場合は、法定耐用年数に基づいて減価償却を行う必要があります。業務用エアコンの場合、耐用年数は「器具及び備品」なら6年、もしくは「建物付属設備」であれば13年か15年のいずれかです。
天井に埋め込むタイプのエアコンは「建物付属設備」に該当し、それ以外のルームエアコンや天吊り型のエアコンは「器具及び備品」に該当します。例えば、耐用年数が15年の場合、15年間にわたって取得費を経費計上していくことになります。
リース契約における契約期間は、リース会社によって異なるため、一概には言えませんが5年から10年です。特に「建物付属設備」の場合、リースの契約期間は法定耐用年数よりも短くなります。そのため、1年あたりに経費計上できる金額が大きくなり、結果として節税効果が見込めるでしょう。
管理事務の合理化が図れる
エアコンを購入すると、償却事務や税金の申告・納付、保険関連の手続きなど、所有に伴うさまざまな管理業務が発生します。このような管理手続きには手間がかかり、従業員の業務負担になってしまうことも少なくありません。
一方、リースを利用する場合、エアコンにまつわる事務作業はすべてリース会社に任せられるため、業務の合理化や省力化が図れるでしょう。
銀行借入枠の温存
リースを利用すると、実質的には全額借入で購入した場合と同様に設備を使用できます。ただし、リースは「借入」には該当しないため、銀行からの借入枠には影響しません。
そのため、企業や事業主は銀行の借入枠を、より本質的な部分に活用することができます。資金の効率的な運用に役立つ重要なメリットと言えるでしょう。
契約期間中や契約終了後のサポートが手厚いものもある
契約期間中や契約終了したあとの対応は、リース会社によってさまざまです。
例えば、サポートが手厚いリース会社を選ぶことは、リース会社選びの重要な判断基準の一つとなるでしょう。契約終了後にどのようなサービスが提供されるかは、リースを利用する際に考慮すべき重要なポイントです。
リース契約の一例をご紹介します。
契約期間中の保証
リース契約には動産総合保険が含まれているため、契約期間中に発生する火災・落雷・水災などの偶発的な要因による損害が補償されます。
一方、機器を一括購入した場合、メーカーの保証期間が終了すると修理は有償となるのが一般的です。そのため、リース契約では予期せぬ損害や故障に対する安心感が得られるというメリットがあります。
契約終了後の機器の入れ替え
リース契約の期間終了後には、最新の機器への入れ替えがスムーズに行えるというメリットがあります。入れ替え時には、省エネ効果が高い機種や、クリーンデバイスを搭載した最新機種に簡単に移行ができます。
また、契約年数に応じて、エアコンの耐用年数を待たずに最新機種への入れ替えできるケースも。性能が劣化する前に新しい機種に更新できるため、長期にわたって性能が落ちた状態で使用する心配がありません。
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エアコンをリースするデメリット
リースを検討する際は、デメリットについても理解しておきたいものです。エアコンをリースするデメリットとしては、以下のような内容が挙げられます。
- 総額は購入よりも高くなる
- 中途解約ができない
- 所有権はリース会社がもつ
- 契約に審査が必要
それぞれについて、詳しく解説していきます。
総額は購入よりも高くなる
リースの料金には、手数料の他に固定資産税・保険料・金利が含まれています。そのため、購入する場合に比べて支払総額が高くなることがあります。
例えば、契約金額が100万円でリース料率が1.56%、契約期間が7年の場合、月額料金は1万5,600円となり、7年間での支払総額は約131万円になります。
この総額は、そのまま100万円で購入した場合と比べて23%ほど割高です。リース料率はリース会社によって異なりますが、一般には、購入に比べてある程度割高になることを念頭に置いておくとよいでしょう。
中途解約ができない
原則として、リース契約は中途解約ができません。
万が一、中途解約を行う場合は、リース料の残りの金額を一括で支払う必要があります。この点は、リース契約を検討する際に特に注意すべき事柄の一つです。
所有権はリース会社がもつ
リースしているエアコンの所有権は、リース会社にあります。契約が満了した際は、エアコンをリース会社に返却するか、再リースすることになります。
購入した場合は売却が可能ですが、リースの場合は全額を支払ってもエアコンの所有権を得られないため、売却もできません。
再リースした場合は、1年ごとに契約を更新することができ、その料金は元のリース料の10分の1程度になるのが一般的です。
契約に審査が必要
ローンと同様に、リース契約では毎月支払いをしていく形になるため、契約時には審査を通過する必要があります。リースの審査では、滞納歴の有無や起業からの年数などが考慮され、場合によっては連帯保証人が必要です。
リース契約を提供する会社によって対応のスピード感は異なるため、会社を選ぶ際は、対応力と速さが重要なポイントの一つと言えます。
パナソニックでも提携しているリース会社があり、スムーズなご案内が可能です。気になる方はこちらのページから詳細をご確認ください。
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エアコンリースの料金相場
リース契約の月額料金は、本体価格・手数料・その他の諸費用を含む「総額(契約金額)」に、リース会社が定めた所定の「リース料率」を掛けて算出されます。
契約期間が長いほど、リース料率は低くなる傾向があります。
また、契約金額が高額になるとリース料率が下がるのが一般的ですが、さほど大きくは変わりません。サポートなどの追加サービスが付く場合は、リース料率が上昇することがあります。
オプションが付かない基本プランの場合、契約年数別のリース料率の目安は下表のとおりです。
契約年数 |
4年 |
5年 |
6年 |
7年 |
リース料率 |
2.3~2.6% |
1.9~2.2% |
1.7~1.9% |
1.5~1.7% |
例えば、総額30万円で4年間の契約をした場合、月額料金は以下のように算出できます。
- 30万円 × 2.3%=月額 6,900円
特徴を理解してエアコンのリース契約を検討しよう
エアコンのリースと購入には、メリットとデメリットがあります。購入の場合は長期的な資産価値がありますが、初期投資が大きく、メンテナンスや更新の際には費用負担が避けられません。
一方でリースは初期費用が抑えられ、最新機器への更新が容易ですが、長期的にみると購入よりも費用が高くなる可能性があります。それぞれのメリット・デメリットを理解して、リースと購入のどちらを選択するかを総合的に検討しましょう。
経済的な面だけでなく、管理の手間や将来の計画などを包括的に判断し、自社にあった選択をすることが重要です。パナソニック空質空調社は、リース契約に関する豊富な実績と専門的な知見があり、お客様のオフィスや店舗の状況にあわせて柔軟な対応をいたします。
安心のサポートと信頼性の高いサービスを求める方は、パナソニックのリースプランもぜひ、ご検討ください。
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