3月 19, 2024
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空調と換気の違いとは?理解を深めて快適な室内空間をつくろう

「空調」と「換気」の違いをご存知でしょうか。いずれも部屋の空気に関わる言葉ですが、意味や目的が異なります。

空調とは「空気調和」を略した言葉で、温度や湿度などを調整することです。一方の換気とは、室内の空気と室外の空気を入れ換えることを指します。

本記事では、空調と換気について、設備としての違いも含めて詳しく解説していきます。




 ■この記事でわかること
  • 空調と換気の違いがわかる
  • 空調設備と換気設備の違いがわかる
  • 併用するメリットがわかる

 

 

 

空調と換気の違い


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下表は、空調と換気の違いをまとめたものです。

項目

目的

室内空間の調整方法

空調

室内の空気を調整して、快適な環境をつくる

設備を用いて人工的に整える

換気

室内の空気を入れ替えて、新鮮な空気を取り入れる

窓を開けたり換気扇を回したりする


それぞれ詳しく解説します。

 

【違い①】目的

「空調」の目的は、室内の温度・湿度・気流・清浄度を調整し、快適な状態を作ることです。

一方の「換気」は、菌やホコリなどの汚染物質を部屋の外に追い出し、新鮮な空気を取り入れることで、室内の清浄度を維持・改善するために行います。その他、湿度調整や温度調整を目的としても換気は行われますが、主要目的は室内の空気の入れ替えです。

清浄度の改善を目的とする換気は、清浄度に加えて温度・湿度・気流の調整も目的とする空調に含まれているといえます

 

【違い②】室内空間の調整方法

空調と換気では、室内環境を調整する方法が異なります。

空調は、室内の環境を人工的に調整して快適な環境を作り出しています。例えばエアコンは、室内の空気を取り入れ、冷房運転の場合はそこから熱だけを除去して、冷やした空気を室内に戻すことで室温を下げる仕組みです。室外の空気を使わず、室内にある空気を調整して環境を整えます。

一方の換気は、窓を開ける、もしくは換気システムを用いて、室内と室外の空気を入れ替えることで、室内の清浄度を改善します。室外の空気を使って室内の環境を整えます。

 

空調設備と換気設備の違い

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続いて、空調設備と換気設備の違いについて見てみましょう。

 

空調設備

空調設備とは、建築物衛生法における「空気調和」を行う設備です。そこからさらに「人」を対象とする保健用空調と、「モノ」を対象とする産業用空調に分類されます。

空調の対象

空調の種類

詳細

保健用空調

<目的>
建物内にいる人が快適かつ健康にすごせるような環境づくり

<施設の対象>
事務所、ホテル、商業施設、学校など

モノ

産業用空調

<目的>
・空間内で生産、保管される製品の品質維持や品質管理
・動植物の環境維持

<施設の対象>
工場、農園芸施設、貯蔵庫など


なお、空調設備は建築物衛生法において、「温度・湿度・気流・浄化」の4つの機能が搭載された機器と定義されています。そのため、法的な観点から考えると、エアコン単体では空調設備としての条件を満たしません。換気設備との併用が必要になります。

※ただし、一部のエアコンには換気機能が搭載されているものもあります。

 

換気設備

換気設備とは、室内の空気と室外の新鮮な空気を入れ替える設備です。身近な例を挙げると、住宅のキッチンやお風呂、トイレにある換気扇などが該当します。

原則として、換気設備はすべての建物で設置が義務付けられています。換気設備は大きな分類としては以下の2つです。

換気の方法

詳細

自然換気

窓やドアなど、機械的手段を使わない換気方法

機械換気

換気扇などの機械を用いて換気を行う方法


換気をしなければ、シックハウス症候群の発症や、一酸化炭素中毒などのリスクが高まります。健康な生活を送るためにも、換気は必要です。

建築基準法によって定められている必要換気量は、計算によって求めることができます。計算方法については下記のページで詳しく解説しているため、あわせてご参照ください。


 

 

空調と換気を同時に行うことでより快適な空間へ

空調は、換気と併用することで、室内環境をより良くすることができます。

一般的な空調設備としてはエアコンがイメージされますが、前述のとおり、エアコンは換気を行わないため、法的な観点から考えると空調設備の定義を満たしません。そのため、空調と並行して換気を行い、室内の空気の浄化を図ることが必要になります。

また、換気には熱交換器システムを利用すると、換気による室内の温度変化を減らして換気を行うことができます。室内の空気を排気する際の空気から熱を回収し、取り込んだ外気に熱を移すためです。温度変化を減らすことで空調負荷の軽減にもつながるため、冷暖房コストも抑えられます。

 

空調と並行して換気を行おう

空調と換気の違いを、目的・調整方法、設備の観点から解説しました。それぞれの違いをおさらいしましょう。


  • 空調は、設備を利用して人工的に温度・湿度・気流・清浄度の調整を行う
  • 換気は、手動または機械的手段を用いて室内の空気を入れ替え、室内の清浄度の改善を図る


空調と換気を併用することで、より良い環境づくりが可能となります。空調・換気設備のことは、パナソニックにお問い合わせください。空調設備を活用した効率的な換気・空調を実現します。お客様ごとに最適なソリューションをご提案しますので、ぜひ公式サイトをご覧ください。