6月 25, 2024
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空調設備設計の方法|エネルギー効率を高めるポイントを解説

空調設備設計とは、建物内の室温や空気の流れを考慮し、室内環境を適切に保つことができるように空調設備を設計することです。室内環境を快適にするためには、空調設備によって室温・湿度を適切に維持・調整する必要があります。

室内環境は、そこで過ごす人々の健康や快適性に直結するため、空調設備には綿密な設計が求められます。また、空調設備はエネルギー消費の大部分を占めることから、省エネルギー化を踏まえた設計も重要です。

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空調の設備設計方法・プロセス

空調設備設計は、建物の種類や構造、使用目的といった条件をもとに行われます


  • 熱負荷計算による、必要な冷暖房能力の算出
  • 空気の流れや湿度分布の考慮
  • 換気による空気品質の確保
  • 省エネルギー性の検討

こうしたさまざまな要素を考慮して、最適な空調機器の選定や配置計画がなされることが一般的です。空調設備設計を適切に行うことにより、快適性が高く、コストパフォーマンスに優れた空調システムの構築が可能になります。

空調設備設計の基本的なプロセスを紹介しますので、順番に見ていきましょう。

 

1.企画

企画段階では、事業計画やスケジュール、空調設備を設置する施設の詳細、法規制・条例といった条件について確認・調査を行います。

空調設備を設置する施設の主なチェック項目は、以下のとおりです。


  • 建物の種類
  • 建物の構造
  • 建物の規模
  • 使用目的
  • 建物の面積
  • 周辺状況


これらの条件を整理して、計画方針を設定します。予算や工期なども、この工程で決定するのが標準的です。


2.基本計画

基本計画の段階では、空調設備の大まかな仕様について決定していきます。室内環境の状況や空調方式について検討するなど、設計条件を整理することが必要です。

また、施主や役所との打ち合わせ、工事費の目標設定のほか、設計スケジュールの調整なども行われます。


3.基本設計

施主条件をもとに、具体的な仕様を決めながら、空調設備の詳細を設計していく工程です。

空調方式や熱源といった事項の検討から、実施計画図の作成、機器の配置計画など、具体的な点を詰めていきます。後述する熱負荷の計算も、概算で行わなければなりません。

また、役所との打ち合わせや建築プランとの調整も、並行して行われます。


4.実施設計

実際の施工段階で使用する設計を確定させる段階です。具体的には、次のような作業が行われます。


  • 詳細な熱負荷計算
  • 風量の算出
  • 最適な空調機器の選定
  • ダクト配管の設計
  • 仕様書・予算書の作成 など

これをもって施主条件の最終確認、法令・役所関連の最終確認、建物・構造との最終調整を行い、施工のフェーズへと移ります。

 


効率を高める空調設備設計のポイント

空調設備(とは)_02

空調設備設計では、エネルギー効率が重要です。空調設備は大きなエネルギー消費源のため、適切な設計と運用により、消費エネルギーを削減できます。

効率を上げる際のポイントについて解説しますので、一つずつ把握しましょう。

 

熱負荷の計算・最適化

空調設備を効率化するためには、熱負荷を適切に計算して最適化することが重要です。

「熱負荷」とは、建物内に出入りする熱量、および建物内で発生する熱量を指す言葉で、「空調負荷」とも呼ばれます。熱負荷が大きいほど、高性能な空調機器が必要になります。

熱負荷は、複数の要因によって変化するのが通常です。主な変動要素には、下記のような項目が挙げられます。


  • 外気温
  • 建物の断熱性能
  • 建物内部の発熱量(人や照明、機器などの発熱量)
  • 季節や時間帯


熱負荷を計算し、空調設備の容量・配置を最適化することで、効率的な空調が可能になります。なお、熱負荷(空調負荷)の計算方法は、以下の記事をご参照ください。

 


換気システムの最適化

適切な換気は、空調設備を効率化するうえで欠かすことができない要素です。

換気システムは、室内の汚れた空気を室外へ排出し、外の空気を供給することで、室内の空気を清浄化します。室内の快適性を維持するためにも、換気による空気品質管理の重要性は高いです。

また、換気では空気品質を管理するだけでなく、エネルギー効率を考慮したシステム設計が求められます。例えば、全熱交換器付きの換気システムは、排出する室内の空気の熱を取り込んだ外気に戻すことで、換気時の気温の変化を抑制できます。

これにより、冷暖房にかかる消費電力を削減することが可能です。

 

換気と省エネの両立には全熱交換器を導入しよう

 

空調設備・システムの選定

空調設備や空調システムを選定するポイントとして重要なのが、建物の規模や用途、気候条件です。

<例>

建物の規模

オフィスビルや工場などの大規模な建物であれば、集中式の空調システムが向いているが、小規模な建物の場合は、分散式の空調システムや個別のエアコンが適している

建物の用途

オフィスや一般商店、美容院・理容室、飲食店では、それぞれ求められる空調能力や機能が変わる

気候条件

地域の気候によって冷暖房の必要性や、問われる機能性が変わる


上記に加えて、前述の熱負荷、初期コストやランニングコスト、耐用年数、環境への影響などを複合的に考慮した空調設備・システム選びが不可欠です。

空調設備の設計はパナソニックにご相談ください

快適性と効率性の両面を押さえた空調設備の設計には、専門的な知識や技術が必要になります。

意匠設計士の方が自分で対応するケースもありますが、設計には手間がかかります。適切な設計の難易度は高いため、空調設備設計の専門家に依頼するのも選択肢の一つです。

パナソニックでは、空調・換気設備について、設計相談から計画書類の作成まで対応可能です。熱負荷計算、換気計算、空調機器の選定などを通じて、施主様の満足度をさらに高めるソリューションを提案できます。

また、意匠設計士様の空調設備設計に関する業務負担を軽減し、コア業務に注力できるようサポートします。

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まとめ

空調設備設計は、建物の用途や規模、気候条件などを考慮し、熱負荷計算や換気システムの最適化など、さまざまな要素を総合的に検討する必要があります。効率的な空調設備を設計することで、快適な室内環境を実現し、省エネルギー化にも貢献できます。

パナソニックでは、空調・換気の導入から運用まで、ワンストップで提供が可能です。快適性と効率性を両立した空調設備の設計でお困りの際は、ぜひ弊社にご相談ください。

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