6月 26, 2024
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4号特例とは?4号特例の縮小によって設計士・建築士はどんな対応が必要?

木造住宅を建築する際、構造審査を省略できるのが「4号特例」です。しかし、2025年4月より4号特例は縮小され、多くの木造住宅が、建築確認・検査の対象となることが決まりました。今回の改正によって、設計事務所の業務負担増加が懸念されています。

そこで本記事では、4号特例の縮小内容のほか、影響や注意点について詳しく解説します。設計の業務効率化に役立つ、パナソニックの空調設計サポートも紹介しますので、4号特例に関してお悩みの方は、ぜひご参照ください。

 

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4号特例とは

いわゆる4号特例とは、建築基準法第6条の4に基づく「審査省略制度」のことです。

延べ面積500㎡以下、2階建て以下などの条件を満たす木造住宅は、建築確認の際の構造審査を省略することができます。 これらに該当する住宅(2階建て以下の、一般的な木造戸建て住宅)は、「4号建築物」「4号建物」と呼ばれています。

4号建築物と認定されるための条件(建築基準法第6条第1項第4号に該当するもの)は、以下のとおりです。


  • 不特定多数の方が利用しない建物
  • 木造の建築物
  • 階数は2以下
  • 延べ面積500㎡以下
  • 高さ13メートル以下
  • 軒の高さが9メートル以下

 

4号特例の縮小が注目されている理由

2025年4月施行予定の改正建築基準法より、4号特例の縮小が決まっています。 縮小の背景となった理由としては、主に次の2点が挙げられます。


  • 新築において「省エネ基準適合」が義務付けられるため
  • 倒壊リスク低減に向けての対策


これまでは 確認申請における構造計算に関する資料の提出が不要でした。そのため、2階建て以下の木造住宅では、充分な耐震性があることを裏付ける構造計算ではなく、簡単な計算と仕様を守ることでOKとなっていました。

しかし、安全性を保つという観点から法改正が行われ、構造計算を必ず行う流れにすることで、建物が倒壊するリスクの低減を図ることになったのです。

また、2050年のカーボンニュートラルに向けて、建築物省エネ法が改正されることになりました。具体的には2025年4月から、すべての新築住宅で「省エネ基準」への適合が義務化されます。したがって、すべての建物において着工前に省エネ基準に合致しているか、チェックしなければなりません。

 

4号特例の縮小内容

4号特例の縮小は、2025年(令和7年)4月から施行される予定です。ここでは、具体的な縮小内容について説明します。

 

「建築確認・検査」と「審査省略制度」の対象範囲

4号特例_01
画像引用:2025年4月(予定)から 4号特例が変わります|国土交通省

現行では、以下の条件に該当する木造2階建てや木造平屋建てといった建物(建築基準法第6条第1項第4号に該当する建物)は4号建築物に該当し、審査省略制度の対象です。


  • 不特定多数の方が利用しない建物
  • 木造の建築物
  • 階数2以下
  • 延べ面積500m2以下
  • 高さ13メートル以下
  • 軒の高さが9メートル以下

改正後は、4号建築物は新2号建築物、新3号建築物の2つに分類されます。木造2階建てや木造平屋建て(延べ面積200㎡超)は新2号建築物に該当し、審査省略制度の対象外となります。

また、これまでは建築確認・検査は都市計画区域内に建築する際に限られていましたが、新2号建築物では、すべての地域で必要となります。

なお、延べ面積200㎡以下の木造平屋建ては新3号建築物に振り分けられ、改正前と同様に、都市計画区域内に建築する場合に限り建築確認・検査が必要です。都市計画区域外であれば、改正前に引き続き審査省略制度の対象となります。

 

構造・省エネ関連の図書の提出

4号特例_03

画像引用:2025年4月(予定)から 4号特例が変わります|国土交通省

改正前、確認申請書・図書は、一部省略されている状態でした。改正後の新2号建築物では、従来の確認申請書・図書に加えて、以下の図書の提出が必須です。


  • 構造関係規定等の図書
  • 省エネ関連の図書

具体的にどのような図書が必要になるかは、建築方法や延べ面積などによって異なります。下記のモデルを例にした、確認申請図書(参考)一覧を紹介しますので、ご参照ください。

■木造一戸建ての住宅例

  • 一戸建ての住宅の新築の事例
  • 木造軸組工法
  • 2階建て
  • 延べ面積:約122㎡
  • 用途地域:第一種低層住居専用地域
  • 防火地域:指定なし(法第22条区域)
  • 高度地区:指定なし
  • 仕様規定のみで構造安全性を確認※
  • 仕様基準で省エネ適合を確認

※準耐力壁等の壁量が少なく、準耐力壁等の壁倍率が小さい、一般的な住宅

■上記モデルで必要となる確認申請図書の一覧
4号特例_02

引用:改正建築基準法|2階建ての木造一戸建て住宅(軸組構法)等の 確認申請・審査マニュアル|国土交通省

 

4号特例の縮小によって考えられる影響や注意点


4号特例の縮小により、「建築確認・検査」と「審査省略制度」の対象が変わるため、これまで省略されていた審査への対応が不可欠です。

構造設計や資料作成といった設計士の負担が増え、現状の運用体制では対応できない可能性もあるでしょう。

また、図書の提出が求められるため、現状の建物の資料を保存(保管)しておく必要がある点にも注意しなければなりません。例えば、2025年よりも前に建設した建物について、改正後(2025年4月以降)に増改築を行う場合、図書の提出が必須となるためです。

空調設計に関する業務はパナソニックに相談を

4号特例の縮小によって、木造2階建てなどの建物でも建築確認・検査が必要となります。

構造設計や資料作成などへの対応が求められるため、設計士や建築士にかかる負担が、これまで以上に増えることになるでしょう。 メインの業務に注力できるよう、手間のかかる業務のサポートを専門家に依頼することをおすすめします。

パナソニックでは、空調設計にまつわるサポートを行なっています。空調設備の機種選定はもちろん、空調負荷や換気量の算出、気流の設計といった、複雑で手間のかかる工程にも対応が可能です。

自身のコア業務に集中できるよう、空調設計に関する業務は、パナソニックにお任せください。

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まとめ

2025年4月から、4号特例の縮小を伴う「改正建築基準法」が施行される予定です。 これにより、木造2階建てや木造平屋建て(延べ面積200㎡超)などの建物でも、建築確認・検査が必要となります。 また、構造設計や資料作成など、設計士の業務負担が増加することが予想され、懸念点の一つです。 

パナソニックでは、空調設計にまつわる業務をサポートしています。 空調設計の専門知識やノウハウが豊富な弊社に、設計業務を任せてみてはいかがでしょうか。

以下のページより資料請求や無料相談ができますので、空調設備設計についてお悩みの方はぜひチェックしてみてください。

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