エアコンは、数ある家電製品の中で、最も電力を使う電気機器のひとつです。
昨今の電気料金の値上げを受け、節電のためにエアコンの利用を控えていませんか?猛暑の中、暑さを我慢してエアコンを使用しないと、体に負担がかかってしまいます。そこで、重要になってくるのがエアコンの「省エネ性能」です。
本記事では、省エネエアコンの性能や選び方、替えることで得られる節電効果について紹介します。これからエアコンの購入を検討される方は、ぜひ参考にしてみてください。
▼ 目次
省エネエアコンの性能と節電効果
※経済産業省「エネルギー白書2023について」をもとにパナソニック空質空調社にて作成
上記の表を見ると、家庭向け電力が1年で約3割、産業向け電力は1年で約6割の電気料金の上昇が確認できます。
家庭用・業務用のエアコンともに電気料金高騰の影響を大きく受けていますが、最新の省エネエアコンへ切り替えることで、消費電力を抑え、節電することが可能です。
ここからは、最新の省エネモデルへの切り替えにより、どれだけ節電効果が期待できるのかを解説します。
10年前に比べ消費電力は15%削減
省エネエアコンは、新型になればなるほど節電効果が期待できます。
一般財団法人家電製品協会によると、2022年の製品は2012年の製品と比べ、消費電力が15%削減されるというデータが出ています。
これを電気料金に換算すると、年間で約4,120円の削減が可能です。近年、電気料金が高騰していることを踏まえると、実際は試算以上の節電効果が期待できるでしょう。
省エネエアコンの製品によって電気代は変わってくるため、「省エネ基準達成率」のチェックをおすすめします。
エアコンを省エネモデルにすると節電効果が高い
画像引用元:省エネルギー政策について|資源エネルギー庁ウェブサイト|経済産業省
資源エネルギー庁によると、「夏季・冬季は、家電製品の電力消費の約3割をエアコンが占める」というデータが出ています。
他の家電よりも全体における割合が大きいため、エアコンを省エネモデルにすると、全体の節電効果が一段と高くなるのです。
画像引用元:夏季の省エネ・節電メニュー 令和5年6月|資源エネルギー庁|経済産業省
また、店舗やオフィスなどで使う業務用エアコンの場合、家庭用よりも高い節電効果が期待できます。
資源エネルギー庁のデータによると、一般的なオフィスビルにおける夏場の電力消費割合は、空調が約5割を占めていることがわかります。業務用エアコンも省エネタイプの製品にすることで、家庭用よりも消費電力を減らすことが可能です。
省エネエアコンの選び方のポイント
省エネエアコンを購入する場合、「省エネ性能が高い製品」を選ぶとよいでしょう。製品の省エネ性能を確認する際は、以下のポイントを押さえておくことを推奨します。
【家庭用の場合】
- 統一省エネラベル
- 製品カタログ
- AI機能
【業務用の場合】
- 空間の広さ
- APF値の高い機種を選ぶ
- 人感センサーによる省エネ運転
それでは、一つずつ解説します。
家庭用エアコンの場合
統一省エネラベル
画像引用元:統一省エネラベルが変わりました|資源エネルギー庁ウェブサイト|経済産業省
統一省エネラベルとは、店頭やウェブサイトで省エネ性能が確認できるラベルのことです。トップランナー制度(※)の基準を達成しているかどうかなど、省エネ性能をわかりやすく明示しています。
※トップランナー制度…省エネ法で定められている家電等の省エネ基準のこと
チェックポイントは、下記のとおりです。
【チェックポイント】
多段階評価点 |
1.0~5.0までの41段階評価。省エネ性能そのものが評価基準となっており、 数値が高いほど省エネ性能が高い。 |
省エネ性マーク |
トップランナー制度の基準を達成した製品には緑色のマーク、 未達成の製品にはオレンジ色のマークで表示される。 |
省エネ基準達成率 |
製品のトップランナー制度における目標基準値を、どの程度達成しているかを示す値。 達成率は%で示されており、数値が大きいほど省エネ性が高い。 |
固有エネルギー消費効率 |
製品ごとに決められた測定方法で得られた数値を示す。 通年エネルギー消費効率(APF)や、年間消費電気量などのエネルギー消費量で表す。 |
年間目安エネルギー料金 |
エネルギー消費効率をわかりやすく表示するため、 1年間(1日5.5時間)使用した場合の電気料金の目安を示している。 |
製品カタログ
メーカーのカタログからは、畳数の目安や期間消費電力量、通年エネルギー消費効率(APF)のチェックができます。カタログが手元にない場合は、メーカー公式サイトからの確認も可能です。
省エネ製品を選ぶ上で、下記3つの項目が重要になってくるので、必ずチェックしておきましょう。
【チェックポイント】
畳数 |
どの程度まで部屋の冷暖房が可能かを表す、広さの目安。 設置する予定の部屋の大きさよりも広いと稼働時間が長くなるため、 消費電力が多くなってしまう。 |
期間消費電力量 |
1年間でエアコンが消費するエネルギーの目安。 一定条件で算出されており、数値が低いほど省エネ性が優れている。 |
通年エネルギー消費効率(APF) |
1年を通して、一定の条件下でエアコンを使用したとき、 消費電力量に対する冷暖房能力を示したもの。 数値が大きいほど省エネ性能が高い。 |
AI機能
省エネエアコンを選ぶ上で、賢く節電するためには、AI機能のチェックも必要不可欠です。下記のようなAI機能を搭載しているものがあるので、エアコン選びの参考にしてみてください。
人の不在を検知して、自動で運転をOFFにする
体感温度に合わせてエアコンのモードを切り替える
メーカーやブランドによってAI機能は異なるため、ほしい機能を搭載した製品を選ぶのがおすすめです。
業務用エアコンの場合
空間の広さ
業務用エアコンは、空間の広さにあった能力(馬力)の製品を選択しなくてはなりません。オーバースペックのものを選んでしまうと、省エネエアコンにも関わらず、消費電力が上がってしまいます。
エアコンを選ぶ際は、下記の利用状況をふまえて担当者に相談するとよいでしょう。
- 部屋の広さ
- 部屋の使用目的
- 人の出入り頻度
また、換気回数が多すぎると空調に負荷がかかってしまうため、適切な換気に留めることで省エネ性の向上につながります。とはいえ、部屋の広さや人数などの利用状況で適切な換気回数は変わるため、常に適切な換気を行うのは難しいでしょう。
そこでおすすめなのが、熱交換気扇の導入です。業務用の場合は換気方法の種類がいくつかありますが、熱交換気は、排気の際に汚れた空気と一緒に捨てていた熱を給気時に回収して室内に戻します。熱回収により空調負荷を軽減でき、冷暖房コストを抑えます。さらに、パナソニックの熱交換気扇は、空質空調機器と連動させることで、省エネ効果だけでなく、室内の空気をキレイに維持することが可能です。
APF値の高い機種を選ぶ
家庭用エアコンのAPF(通年エネルギー消費効率)と同様の指標ですが、業務用エアコンの場合、算出方法が異なります。
いずれにせよ、数値が高いほど省エネ性能が優れている点は変わりないため、APF値の高い製品を選ぶようにしましょう。
人感センサーによる省エネ運転
人感センサーによって、省エネ運転に対応している機種もあります。人感センサーの役割は下記のとおりです。
- センサー範囲内での人の活動量に応じて、冷暖房の温度を調節
- 長時間人が不在の場合、不在運転モードに切り替えて動く(要設定)
人感センサーを利用してエアコン稼働を最適化することで、省エネ効果の向上につながります。製品によっては、サーキュレーターで室内の空気を循環させたり、湿度を検知して自動で温度を調節するなどの機能もあります。
省エネにつながるエアコンの使い方
ここまで、省エネエアコンの性能と節電効果について解説しました。とはいえ、電気料金の高騰に関する対策はまだまだ必要です。
そこで、さらに省エネ効果を高めるために、エアコンの使い方にも注目していきましょう。
夏は室温が28℃程度になるよう調整
環境省が進める「クールビズ」では、冷房時の室温を28℃にすることを推奨しています。夏場の冷房の設定温度を1℃上げると、約13%の消費電力が削減できるため、温度を下げすぎないことが重要です。
ただし、設定温度28℃=室温28℃ではないので、日当たりや建物の構造を考慮して温度設定を行うとよいでしょう。
また、同じ設定温度でも湿度によって体感温度は変わります。温度を下げるだけではなく、湿度を調整することで省エネにつながるため、温度・湿度の状態を踏まえて調整しましょう。
※冬の場合、暖房使用時の室温は20℃を目安にすることを推奨されています
風量設定を「自動」にする
風量設定は「自動」にしておくのが、最も省エネです。
冷暖房を使用して部屋の温度を素早く適正にするには、強風にするのが一番ですが、運転モードを強風にしたままだと、常に電力消費が高い状態になってしまいます。逆に微風のままだと、室温が設定温度になるまでに時間がかかります。
その点「自動」にしておくと、強風でいち早く室内を設定温度にし、そのあとは微風にするなど、無駄な電力を使わないのでおすすめです。
定期的にフィルターを掃除する
エアコンは、フィルターの目詰まりで冷暖房効果が下がります。
環境省によると、フィルター掃除をすることで「冷房時で約4%、暖房時で約6%の消費電力削減につながる」といったデータがあります。家庭用の場合は、2週間を目安にフィルター掃除を行いましょう。
業務用の場合は、「オートグリルパネル」という昇降機能をオプションで付けることで、脚立などを使わずにお手入れが可能になります。簡単にお手入れしたい、という方は設置を検討してみると良いでしょう。
適切に換気する
窓の開け閉めなど、換気回数が多すぎると空調負荷(部屋の温度を調整するために必要なエネルギー量)が上がってしまうため、適切に換気することが重要です。
業務用の場合は換気方法の種類がいくつかありますが、給気・排気の両方を機械で換気することにより、ランニングコストが下がる場合もあります(※)。
※第1種換気における熱交換器の場合に限られます。
熱交換器は、排気の際に汚れた空気と一緒に捨てていた熱を給気時に回収して室内に戻します。熱回収により空調負荷を軽減でき、冷暖房コストを抑えます。さらに、パナソニックの熱交換気扇は、空質空調機器と連動させることで、省エネ効果だけでなく、室内の空気をキレイに維持することが可能です。
省エネエアコンの導入をしよう
今回は、省エネエアコンの性能と節電効果について解説しました。電気料金高騰の対策として、省エネ性能の高いエアコンに替えることで消費電力を抑えられるため、節電につながります。
また、省エネ性の高い製品を見分けるためには、統一省エネラベルが重要です。正しい知識を身につけ、最適なエアコンを見極めましょう。カタログや製品に搭載されている機能を確認すれば、ご家庭にあった省エネエアコンが見つかります。
パナソニックでは、家庭用・業務用ともに高性能な省エネエアコンを用意しておりますので、ぜひこの機会に下記リンクよりご覧ください。