動物病院開業支援動物病院開業までのコンプリートガイド

動物病院開業支援動物病院開業までの
コンプリートガイド

将来動物病院の開業を考えている獣医師の方々が、円滑に開業準備を進められるように、こちらの記事を作成しました。
開業までのスケジュールや各時期のToDoなどを参考にしてみてください。

全体設計(開業1年前)

動物病院開業の全体スケジュールを見ていきましょう。
診療初日までには、数多くの開業ステップがあり、効率的に開業準備を進めるための基本スケジュールがあります。

開業全体スケジュール

まず、動物病院の運営体系には「個人事業主としての開業」か「法人格(株式会社、合同会社)としての開業」の 2 つのルートがありますが、獣医師が開業時から法人を設立するケースは稀ですので、以下では個人事業主として開業するスケジュールをまとめています。
なお、開業後に法人格に変更する際、税率の関係上、月の売上が 500 万円をコンスタントに超えるかどうかが一つの基準となります。

全体設計写真開業のスケジュールの肝となるのは、物件が確定するかどうかです。
テナントで物件が即時決定すれば、空家賃(開業していないが家賃を支払わなければいけない)が発生する関係上、契約後 3〜4か月程度でスピーディに開業する流れとなります。
逆に、なかなか物件が見つからなければ、開業の時期が想定よりも伸びます。
なお、戸建てによる開業を検討される場合は、建物の建築期間が6〜8か月ほどかかります。
また、戸建ての場合はその土地の開発計画が絡んでくることもあります。
テナントでも同様ですが動物病院が開業できる用途地域か否かの条件もクリアする必要があります。
よって、戸建ての場合は、土地の開発業者や不動産業者側から情報を得るか、気になる土地を見つけた場合は必ず不動産会社に動物病院開業ができる用途地域か確認するようにして物件確保を行いましょう。

 
スケジュール
01コンセプト設計
02立地・物件
03機器
04設計施工
05借入
06採用
07ホームページ
08内覧会
09院内オペレーション
10院内備品・在庫
11役所関係の提出
スケジュール
01コンセプト設計
02立地・物件
03機器
04設計施工
04設計施工
05借入
06採用
07ホームページ
08内覧会
09院内オペレーション
10院内備品・在庫
11役所関係の提出
 

コンセプト設計

開業する際、どのような病院にしていくのか病院のコンセプトを固めましょう。

それをもとに、3 か年シミュレーションや金融機関向けの事業計画書を作成していきます。
物件の候補がある程度定まった頃に、周辺の競合調査(診療時間、休診日、診療内容)を同時に進めていきます。

コンセプト設計

 

立地・物件

コンセプトに合った開業立地と物件選定を行う必要があります。
その際に、テナント開業をするか、戸建て開業をするかという 2 つの道があります。

テナント開業の場合

立地・物件01

最も時間を要する段階になります。ご自身が理想とする条件の物件を見つけることは難しいです。
実際、内見を 10 件して、1 件良い物件が見つかるという具合です。

戸建て開業の場合

立地・物件02

戸建ての場合は、建物の建築期間が6~8か月ほどかかりますので、テナント開業の場合より開業が6か月以上遅くなると想定しておきましょう。
戸建ての場合は開発業者経由で不動産会社から戸建て可能な土地の提案があるか、ご自身で希望の土地を見つけ次第、不動産会社に問い合わせするというアプローチになります。

 

機器

ご自身が開業する動物病院の規模や方向性によって必要な機器・機材は変わっていきます。

また、全ての機器を新品で購入すると初期費用の負担が大きくなるため、機器・機材によっては中古品の購入も検討が必要です。

さらに、リースで機器・機材を調達する手段も視野にいれていきましょう。

開業においては機器・機材の調達と設計施工が最も高額になります。よく考え比較し選定していくことが必要です。

機器

 
 

設計施工

院内での診療を行う重要な場所の設計・施工は、最も重要といっても過言ではありません。スタッフは勤務時間のすべての時間をこの空間で過ごすことになりますので、導線・オペレーションのしやすさを考えた設計を目指しましょう。

また、開業時にかかる費用は設計・施工が最も大きい部分であり、しっかりと業者選定・打ち合わせが重要になってきます。

業者によって大きく費用に差が出るため、相見積もりを取って比較検討していきましょう。

設計施工

 
 

借入

借入をする際は、日本政策金融公庫と地方銀行から借入することが多いです。
日本政策公庫から借入が決定するのは面談・書類提出後の約2〜3週間、地方銀行であれば、約1か月半〜2か月になります。

また、異業種からの参入の場合は、資格者による借り入れに比べるとハードルが高くなります。自己資金額と事業計画内容を念入りに判断されるので、異業種からの参入の場合こそ徹底して準備していくことをおすすめします。

借入

 
 

採用

獣医師・動物看護師の採用について、ご不安を抱いている方も多いと思います。しかし、新規開業であればオープニングスタッフは人気のある募集フレーズであり、非常に優位な状況なので、採用活動への心配は然程必要ありません。

そこで物件確定後、すぐに採用条件を確定し、募集を開始しましょう。
採用条件は、コンセプトをもとに考えると良いでしょう。
またこの段階で、雇用契約書なども事前に用意しておくことが大事です。

採用

 
 

ホームページ(HP)

開業時には新規の飼い主様の集患が重要です。彼らを集患ができるかできないかが、動物病院の業績を大きく左右するといっても過言ではありません。

そこで、オンライン集患の中でも効果が高い「ホームページ」を用意しましょう。

ホームページ制作は制作会社によってデザインレベル、費用、対応力など様々です。
高額な会社であれば200万円以上、リーズナブルな会社であれば30万円前後となります。
制作費用だけでなく、月々の管理費用も加味しましょう。

ホームページ

 
 

内覧会

開業日の約3か月前からは病院周辺にお住まいの飼い主様への認知向上に効果的な内覧会の準備をしていきます。内覧会を実施しないという動物病院もありますが、実際、開業後の来院に繋がることも多く重要なプロモーション施策です。

内覧会は土日を活用して2〜3日で開催しましょう。
内覧会の集客をするために、最低でも1か月前にはチラシのポスティングを行いましょう。

内覧会

 
 

院内オペレーション

開業が近づいてきたら、料金設定、健康診断などのメニュー設計、院内のオペレーション、必要資料について検討していきます。

薬品・フードについては、どのような卸業者から調達するかを予め決めておきましょう。契約する業者が多すぎると運営体制が非効率になることや配送料が無駄にかかってしまうケースもあるので、予め厳選することが大切です。

院内オペレーション

 
 

院内備品・在庫

冷蔵庫や洗濯機、椅子などの細かい院内の備品・在庫などの調達も必要です。
家電などは中古などで対応できるものは中古を購入しましょう。

院内備品・在庫

 
 

役所関係の提出

法律上は開業後10日以内に、開設届を管轄の保健衛生所に提出します。
社会保険や労働保険という労働関係の手続きは、開業後に役所に提出します。

役所関係の提出

 

開業スケジュールは物件や業者との調整などにより、多少前後することがあります。
病院のコンセプト(往診専門など)によっては、最短で6か月程度で開業ができますが、
余裕をもって8か月~1年くらい前から準備を少しずつ進めていきましょう。

お悩み解決!開業について相談する

開業スケジュールは物件や業者との調整などにより、多少前後することがあります。
病院のコンセプト(往診専門など)によっては、最短で6か月程度で開業ができますが、余裕をもって8か月~1年くらい前から準備を少しずつ進めていきましょう。

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